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経営計画

第六次中期経営計画 (2024年度〜2027年度)


 当社は、2024年度から2027年度までの4年間を対象とする「第六次中期経営計画」を策定しましたので、お知らせいたします。

1.長期ビジョンNX2030(NAKAYO Transformation 2030)

(1)2030年にめざす姿

 当社は、1944年の創業以来、情報伝送技術や製造能力の向上に努め、情報通信事業を通じて社会の発展に貢献してまいりました。そして、2024年創業80周年を迎えます。

2030年にめざす姿:画像

 当社の経営環境は、デジタル技術の進化に伴い、スマートフォンやクラウドサービスがオフィスや社会にさらに浸透することで、主力製品であるビジネスホンの需要が軟調に推移するリスクを抱えています。また、少子高齢化による労働人口の減少は、人材不足の深刻化など、厳しい環境が継続しております。さらに、気候変動問題の深刻化や地政学リスクによりサプライチェーンの不安定化や調達価格の高騰に直面するなど、当社を取り巻く経営環境は、これまでにない規模と速さで大きく変化しています。
 これらの大きな潮流や変化は、一方で、デジタル技術を活用した生産性の向上や、社会課題解決へのニーズの高まりといった新たな機会をもたらしていると考えています。
 企業理念である「良き企業市民として、時代のニーズを先取りした価値を創造し、社会の発展に貢献します」を再確認し、不確実性が増す中で企業活動の持続性に大きな影響を及ぼす経営環境において、企業理念を実践することの重要性が一層高まっていると認識しています。
 このような認識を踏まえ、当社は、長期ビジョンNX2030(NAKAYO Transformation 2030: 変わる・新しいナカヨへ)を策定しました。2030年にめざす姿として、「ビジネスホンの会社」から「ビジネスソリューションの会社」への転換を目指し、「自社企画ソリューションの提供を通じてビジネス・社会課題を解決、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに持続的に成長・進化する良き企業市民でありたい」をビジョンに設定しました。また、社会への長期的な価値提供として、「ビジネスや社会課題を起点とした解決策(ソリューション)を、社内外の技術、商材、サービスを組み合わせて、様々な形態でタイムリーに提供する」という方針を掲げています。当社は持続的な成長を追求し、資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の継続的な達成を長期目標に、企業価値の最大化を目指してまいります。


(2)実現のためのコンセプト

実現のためのコンセプト:画像

 長期ビジョンNX2030に向けて、コア事業であるプロダクト事業の資本収益性を高め、戦略事業であるソリューション事業を強化することを両輪として、持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していきます。
 プロダクト事業では、主力製品であるビジネスホンを含む請負型のOEM製品製造において、事業資産効率と生産性向上を図り、安定した収益基盤を築きます。ソリューション事業では、自社ブランドのビジネスホン、介護ソリューション、光回線サービスなどのITサービス提供を通じて長年蓄積してきた顧客・販売チャネル基盤を深堀し、新製品・サービスを展開するとともに、新市場開拓に取り組むことで事業を拡大します。さらに、継続的に新規事業を創出するため、イノベーションの創出能力と顧客基盤拡大のための顧客接点の強化・拡大に向けた投資を重点的に行い、新規事業の探索・創出・育成を推進し、新たな事業領域を開拓し、ビジネスソリューションの会社への変革を進めます。


2.資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について:画像

(1)現状分析

 2024年3月期のPBR(株価純資産倍率)は0.31倍と1倍の間に大きな差があり、市場からの評価が低い現状にあります。これは、ROE(▲7.8%)が株主資本コスト(4%程度)を下回っており、株主の期待する収益率に達していないことが主要因と分析しています。


(2)市場評価改善方針

 第六次中期経営計画において、資本コストを上回るROE目標を達成するために、資本効率を向上させる施策を策定し、実行します。また、成長戦略を策定し実行することでPER(株価収益率)を改善し、PBRの改善を図ります。


3.第六次中期経営計画(NX2030 1st Stage 2024-2027)

第六次中期経営計画:画像

(1)位置づけ・基本テーマ

 本中期経営計画は、長期ビジョンNX2030に向けた1st Stageとして「持続的な成長の経営基盤を構築する4年間」と位置づけ、また、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」も踏まえ、ROE5%以上を目標に3つの基本テーマに取り組みます。

■経営構造改革(資本効率性向上)

 生産拠点の集約により、人員の最適配置、作業の合理化、リードタイムの短縮を目指した工場生産品の抜本的な構造改革を行います。また、拠点と設備の集約により事業資産を徹底的に活用し、価格の見直しや原価低減活動を通じて粗利益の確保を実践します。これにより、資本効率の向上に取り組みます。

■ソリューション事業の育成(成長力強化)

ソリューション事業の育成(成長力強化):画像

 ソリューション事業への人的資本シフトと、ソリューション提供に適した組織・体制の再構築を通じて、営業・保守サポート機能の組織能力を強化します。重点分野(オフィス・介護)で計画されている新製品および成長しているITサービス(光回線サービスなど)の展開を契機に、顧客基盤と販売チャネルを深堀し、顧客接点を強化することで新市場を開拓し、ソリューション事業の育成を図ります。
 さらに、イノベーション創出能力の強化と、既存事業からの分離と協調を目指すため、「事業開発部」を社長直轄で新設(2024年4月1日)しました。IMS(イノベーションマネジメントシステム)の構築により、営業、開発、製造部門の連携を強化、製販一体体制を進化させ、継続的な新事業の創出能力を高めます。
 顧客接点の強化とイノベーション創出能力の強化に向けたこれらの取り組みに対し、積極的な成長投資を行います。また、社会課題となっている事業承継に課題を抱える取引先に対しては、持続可能な成長を目指し、事業投資や事業譲受も視野にいれ、顧客接点の確保と強化に努めます。

■サステナビリティへの取り組み強化

 持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、@脱炭素・環境負荷軽減に向けた取り組み、A人的資本経営の基盤強化に向けた取り組み、B全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の取り組み、以上サステナビリティへの3つの取り組みを強化します。


(2)目標指標

 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、現状分析・市場評価改善に向けた方針を踏まえ、第六次中期経営計画の最終年度2027年度目標として、2つの目標指標を設定します。


(3)キャッシュアロケーション方針(2024-2027年度)

キャッシュアロケーション方針(2024-2027年度):画像

 財務基盤の健全性を確保することを前提に、成長投資と安定した株主還元の充実を両立させることを基本方針とし、持続的な成長とROE 5%以上を目指します。成長投資や株主還元に充てる原資は、主に営業キャッシュフローとしますが、固定資産、流動資産を活用、適切な資金調達手段を講じて、これらを資金源として活用する方針です。

■成長投資と安定株主還元の充実を両立

 戦略的事業分野であるソリューション事業の育成のため、顧客との接点を強化し、イノベーションを創出する能力の向上に向けた取り組みに積極的に投資を行います。さらに、事業基盤を強化するため、全社的なDX推進、事業資産の効率化、生産性の向上に資する設備投資、及び研究開発への投資を進めていきます。
 連結配当性向30%程度を目安に、株主への還元を実施します。また、中期経営計画期間(2024年度-2027年度)の4年間では、成長投資と安定した株主還元の充実を両立させる基本方針を踏まえ、最終年度の2027年度における目標当期純利益に基づき、50円を下限配当として設定します。さらに、総還元性向と資本効率性の向上も意識しつつ、自己株式の取得を機動的に検討します。

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